クリスマスのおはなし
クリスマスツリーを飾ろう
幼い頃から憧れる、大きなクリスマスツリー。
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12月24日は絶対に眠らないと決めこんで、この目でサンタクロースを・・見て・・やる・・・と思いながら意識が遠のき、翌朝にはその悔しさもすぐわすれ、玄関先にあるツリーの下に一目散。
パジャマのまま裸足で階段を駆け下りるので、とっても足が冷たい。
きらびやかな情景はいつも家族の愛情があったからこそ、と思わされます。
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毎年飾る物だから、毎年街で見られるものだから、いつの時代も幼い頃の記憶が蘇ってきます。
なんとな~く、何気なく飾っている方も多いと思うのですが、クリスマスツリーの由来はご存知でしょうか?
意味や由来を知ると、もっと特別な気持ちでクリスマスの準備ができそうですよ。
実は北欧のお祭り?クリスマスと"ユール"
12月の風物詩でもあるクリスマスツリー。一般的には、モミや松、トウヒなど、その土地その土地で生育している常緑針葉樹にさまざまな飾りつけをして作られます。
「キリストのミサ」という意味を持つクリスマス(Christmas)ですが、実はクリスマスツリー自体はキリスト教由来ではありません。
諸説ありますが、北ヨーロッパに住んでいたゲルマン民族の冬至のお祭り「ユール」から系譜を継ぐものではないかと言われています。ゲルマン民族は「ユール」の際、樫の木を「永遠の象徴」として祭祀に用い、崇める対象としていました。この「ユール」はクリスマスの起源ではないかと言われており、そのため現在でもスウェーデンなど北欧諸国ではクリスマスを「ユール」と呼ぶ風習が残っています。
冬でも青々と葉を茂らせる木々の生命力は、これから過酷な冬を迎える人々にとっては豊かな生命力を感じさせる大切な存在でした。
冬至のお祭り ユール
各地の様々な民族の間でも樹木にリボンや鈴、いけにえの動物などを飾る習慣は古くからあり、中でもケルト民族の間では常緑樹を使うのが主流でした。太陽が沈み最も夜の長い冬至の際に、冬でも緑色の葉を茂らせるモミの木を伐り、家に持ち帰って豊饒のシンボルである果実を飾って春を待ち望んでいたそうです。一方古代ローマ人は、この時期に松の木を家に飾っていたんだとか。
古代ヨーロッパでは、キリスト教を国教とするローマ帝国は、キリスト教以外の宗教を認めなかったため、異なる宗教を持つ他民族としばしば争います。
そんな中、8世紀のドイツ(当時のフランク王国)において、キリスト教布教活動のためにゲルマニアの地に踏み入れた宣教師が、ゲルマン民族のお祭り「ユール」に遭遇します。そんな異教の信仰を止め、正しいキリスト教の道へと導かなければと考えた宣教師は、樫の木を切り倒します。するとそのすぐそばからモミの木が生え、それを見た宣教師は「奇跡の木だ」と感動します。と言うのも、モミは横から見ると三角錐型をしており、頂点に神、両端に神の子イエスと精霊が繋がっている「三位一体」を体現していると捉えられたためです。これが、のちのクリスマスツリーとなったと言われています。(※諸説あります。)
クリスマスツリーの持つ意味
常緑樹が使われるツリーは、古代から続く「永遠の象徴」を表現した存在です。キリスト教では、これに加えて「神の永遠の愛や神が与える生命を象徴する」といった意味が込められます。ツリーの頂上部に飾る星はイエス・キリストの降誕を知らせたベツレヘムの星を表しています。
また、クリスマスツリーは旧約聖書の『創世記』に登場する「知恵の樹」の象徴であるという説もあります。蛇にそそのかされたアダムとイブが「禁断の果実」を口にし、その結果神によって楽園を追放されてしまうという話が有名ですが、その「禁断の果実」がなっていた木が「知恵の樹」です。ツリーによく飾られる球形のオーナメントは、アダムとイブの食べた「禁断の果実」を象徴しているといわれています。
オーナメントに込められた願い
【クリスマスカラー】
基本的にツリーを始めとしたクリスマスの飾りつけは、クリスマスカラーと呼ばれる赤・白・緑の3色が基調となっており、3色それぞれに意味があります。 赤は十字架にかけられたイエス・キリストが流した血、あるいは神の愛の象徴を表します。白は雪・純潔、緑は、常緑樹に代表される永遠の命や力強い生命力を表現しています。
【星(スター)】 TWINCLESTARウォールデコL / 消費税込 ¥1,980ツリーの天頂に飾る星は、イエス・キリストが生まれたユダヤ・ベツレヘムの空に輝き、東方の三博士にその誕生を知らせたとされる「ベツレヘムの星」を表していると言われます。
【イルミネーション】 LEDワイヤーライト・コンセント式 [10m] / 消費税込 ¥3,850ツリーに星を表すろうそくを最初に灯したのは宗教家のマルティン・ルターです。ろうそくを使っていた時代は、火事の心配も多かったため、消火用の水をいつもツリーの周りに置いていたそうです。
その後、ろうそくの代わりに広まったのが、火事の心配の少ない電気を使ったイルミネーション。実は発明家のトーマス・エジソンが1880年に白熱球を開発した折、プロモーションの一環として電飾をツリーに付けたのがその始まりだったと言われています。
クリスマスツリーを飾る色とりどりの丸いオーナメントボール。これはアダムとイヴが食べた「知恵の木の実」を象徴していると言われ、「幸福」や「豊かな実り」の願いを込めてツリーに飾られるようになった伝統的なモチーフなんだそうです。同じ理由でリンゴのオーナメントも飾られます。
おわりに
何気ないモチーフもただきらびやかで可愛いだけではなく、何かの象徴になっていたり、意味のあるものばかりでした。今年は古代まで思いを馳せて(!)クリスマスを迎えるのも面白いかもしれません。