フランスの古い暮らしの中で大切に使い込まれてきた、気品あふれるアンティークチェア。長い年月の間にペイントが幾層にも剥がれ、木肌が露出したその姿に時間の層を感じさせます。/p>
ルイ16世様式の真髄である直線美を基調としたこの椅子は、背もたれのリブデザインと、垂直に伸びる端正な直脚が最大の特徴です。過剰な装飾を削ぎ落とした新古典主義の知的な骨格を持ちながらも、地方様式ならではの素朴さが同居しており、長い年月を経て剥がれ落ちたペイントの質感がそのストイックな造形に柔らかな情緒を添えています。
繊細なケイン編みの座面と、控えめな挽物細工が施された脚部。どこを切り取っても絵になる一脚は、実用としてはもちろん、空間の質を一段引き上げるオブジェのような存在感を放ちます。