パイファネル( Pie Funnel)とはその名の通り”パイの煙突”を意味し、パイバード、パイベンツとも呼ばれています
パイを焼く際に中の蒸気を逃がし、表面に亀裂が入ったり中央がへこんだりするのを防ぐ役割をするものです。
1700年代頃にヨーロッパで生まれ、ヴィクトリア時代にフルーツパイやミート パイをオーブンで調理する時は、中央にファンネル型の蒸気口が取り付けられていました。
パイファネルのなかでも最もポピュラーであるブラックバードのモチーフのパイバードです。
これは、マザーグースの歌「Sing a song of sixpence」 に登場するブラックバードがモチーフではないかと言われ、パイファネルがアメリカに渡り1930年代にこの形が生まれました。
ブラックバードはイギリスやアメリカではよく見かける鳥で、黒いからだに黄色いクチバシが特徴です。日本で言うところのスズメくらい身近な鳥です。
まるでカラスのような姿ですが、聞き惚れるほどの綺麗なさえずりなんだそうです。
そんなブラックバードが登場する、マザーグース「Sing a song of sixpence」 の一節にこんな歌詞があります。
Four and twenty blackbirds,
Baked in a pie.
"24羽のブラックバードがパイに焼き込められ
パイをカットすると 一斉に歌いだす"
想像するとちょっと怖いですが、パイから顔をだしているさまはそんなシーンを彷彿とさせます。
パイファネルは現代ではなかなか使われないようですが、イギリスのクラシックなパイ作りを楽しみたい方はぜひ使ってみてはいかがでしょうか?