柳の物語を写した、深い青のブルーウィロー。イギリスEnglish Ironstone Tableware社による、東洋様式(シノワズリ)のケーキ皿です。
ブルーウィローは、コレクターの多い東洋様式のお皿。17世紀頃から東インド会社によって中国・景徳鎮の陶器や日本の伊万里焼が輸出され、ヨーロッパで流行したシノワズリ(東洋趣味)の芸術様式です。18世紀中頃にフランスのロココ様式と結びつき、人気は最高潮に達しました。
イギリスでは19世紀初頭、ジョージ4世がシノワズリや伊万里の金らん手を深く愛したことから、上流階級を夢中にさせました。やがて銅板転写の技術が実用化され、精密な絵柄を安定して生産できるようになると、シノワズリの美しいティーセットが広まります。お茶を楽しむ習慣が上流から一般へと根付いた頃、特に人気を集めたのが、このウィローパターンでした。中国の楼閣山水図から着想を得た図案で、同じ文様をさまざまな窯が手がけています。こちらは1950年頃、ブルーウィローの再ブームの折に作られたリバイバル品です。
このウィローパターンには、一連の物語があります。中国高級官僚の娘クーン・セと、地方役人の子息チャン。交際に反対した父が娘を楼閣に閉じ込めますが、二人は使用人の手引きで駆け落ちし、橋の上を追手から逃げ、小舟で沖の島へ。それでも追手に迫られ、二人はこの世を去ります。その死を悲しんだ神が二人を鳥の姿に変え、天空で結ばれる——そんな物語です。じつはこれは中国とは関係がなく、ウィローパターンを考案したイギリス人が、自社製品の販促のために絵柄へストーリーを持たせたのが始まりなのだそうです。
外国へ渡ることが難しかった時代、シノワズリに夢中でも、その多くは中国を訪れることができませんでした。東洋への強い憧れを、一生見ることのないであろう異国の地を、物語と絵柄とともに思い描きながら、茶の時間を楽しんでいたのかもしれません。同じデザインでバックスタンプが異なることから、English Ironstone Pottery Ltd.がEnglish Ironstone Tableware Ltdへと社名を変える過渡期に作られたものと思われます。
サイズ:φ17.4cm
国:イギリス
推定年代:1970年代頃
材 質:陶器




















































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