ブルーウィロー

今なお世界中にコレクターがいる、陶磁器の絵柄・ブルーウィローパターン。 18世紀後半からウィローパターンは様々な窯元で作られました。 200年以上たった現代でも人気は絶えることなく続いています。

ウィローパターンが多くの人の心をつかんでいる理由の一つに、そのデザインが物語る中国の古い恋物語が挙げられます。

今なお世界中にコレクターがいる、陶磁器の絵柄・ブルーウィローパターン。
18世紀後半からウィローパターンは様々な窯元で作られました。
200年以上たった現代でも人気は絶えることなく続いています。

　ウィローパターンの歴史

ウィローパターンは、1780年代初頭にミントンの創始者・トーマス・ミントンによって描かれたといわれています。
トーマス・ミントン（Thomas Minton ：1765–1836)は、イギリスのストーク・オン・トレント（Stoke-on-Trent）で、銅板転写の彫刻師として、スポード窯、ウェッジウッド窯などのさまざまな窯の下請けとして働いていました。
1793年、彼が28歳のとき、それまでの銅板の製作から、事業を拡大し、陶磁器の一貫製造をする事業を始めます。
ストーク・オン・トレントに、小さい窯と小さい小屋を建て、「MINTON ミントン」の名前で仕事をはじめました。
後に、ヴィクトリア女王から「世界で最も美しいボーン・チャイナ」との賞賛を得ることになった、「MINTON ミントン」の誕生です。

(左)トーマス・ミントン（Thomas Minton ：1765–1836)、(右)ウィローパターンの図案

当時、ヨーロッパではシノワズリ（中国趣味）が流行していました。
トーマス・ミントンは、中国の山水画をモチーフに図案「ウィローパターン」を製作しました。
そして白地に青色の模様を銅板転写する陶磁器の製造を行ったのです。
銅板を利用した転写技術を広めるために、版見本の図柄として物語を創作、その図柄が「ウィローパターン(柳文様)」と呼ばれるようになったといいます。素晴らしい図案と大量生産を可能にする技術は、物語とともにイギリス全土に普及していき高い評価を獲得しました。

ウィローパターンは、流行していたシノワズリの波にのって、ミントンだけでなく、スポード窯、ウェッジウッド窯で製造され、イギリス全土に普及していきました。

　ウィローパターンに秘められた恋物語

この文様は、中国の磁器に描かれた青い山水文様にインスパイアされて製作されましたが、実はイギリスのものであることに驚きます。
ウィローパターンが多くの人の心をつかんでいる理由の一つに、そのデザインが物語る中国の古い恋物語が挙げられます。

　ウィローパターンであるしるしのモチーフ

ブルーウィローパターンはこの伝説から多くのモチーフをデザインに取り入れられていることが分かります。
父親が娘を閉じ込めるために作った柵、恋人たちを追いかけて渡った橋、娘が歩いた柳や水辺など、 ストーリーに登場するモチーフを沢山みつけることができます。
上部には恋人のふたりを表す2羽の鳩が描かれています。