キャニスター・保存容器
並べるだけで可愛いアンティークやヴィンテージの保存容器たち。琺瑯キャニスターや陶器の保存容器には、その時代や地域の食文化が反映されたデザインのもの多く、当時の生活が伺えるものばかりです。
状態の良いものであれば食品や調味料、砂糖や茶葉など、様々なものを保存できる実用的な面も惹かれます。食器棚やキッチンに飾っても存在感があり、インテリアにも活用できます。
ホーローの保存容器
ホーローのはじまりは遡ると15世紀頃とされていますが、イギリスでは19世紀頃に本格的に普及しました。
イギリスにおいて、ホーロー製品を量産し最も有名になったのは、1830年にイングランドのウェスト ミッドランズにあるウォルバーハンプトンの町・ビルストンでした。
ビルストンの工場では、主に銅をベースにした器具が生産され、当時の一般家庭では、主に調理器具や家庭用品、看板、壁面装飾などに使用されていました。当時はホーロー技術がまだ発展途上で、製品は比較的高価であり、富裕層や貴族の家庭で使われることが多かったとされています。
20世紀に入ると、ホーロー技術が発展し、製品の生産が効率化され、より広い層の人々が手軽に購入することができるようになりました。特に第一次世界大戦後には、製品のバリエーションも増え、庶民的な家庭でもホーロー製品が普及するようになりました。
第二次世界大戦後は、ホーロー製品は「ヴィンテージ」や「レトロ」として人気を博するようになり、今日ではイギリスの伝統的なキッチンアイテムとして親しまれています。
BREAD缶
アンティークのBREAD缶は、今から100年前のイギリスでは一般的なキッチンアイテムでした。当時、パンは家庭で手作りされ、定期的に作られたものを一日でも長く保存する必要がありました。BREAD缶は、パンを鮮度を保ち、風味を失わせずに保存するために使われました。
稀に穴が空いているのがありますが、焼きたてのパンをそのままいれても、蒸気を逃がすつくりとなっているためだそうです。この穴あきは大変希少で市場でも滅多にみられないレアアイテムです。
オリジナルのものは、大体1950年代までのもの。 と言うのも1950年代以降はパンや小麦粉が工場で生産されるようになって、ビニールや紙袋入りで販売されるようになったので必要がなくなってしまいました。
キャニスター
ホーローを素材としたキャニスターは主にフランスによくみられます。
サイズ別に3~6個セットになっていることが多く、使わない時はマトリョーシカのように入れ子にして収納ができます。
内容物がプリントされていることが多く、「SUCRE(砂糖)」「FARINE(小麦粉)」「PǍTES(パスタ)」「CAFÉ(コーヒー)」「THÉ(紅茶)」「ĒPICE(スパイス)」「Chicoree(チコリ)」などがあります。日本人には馴染みのないチコリは「チコリコーヒー」のことでコーヒーに似たハーブティーの一種です。フランスをはじめ、ヨーロッパでは定番ドリンクのひとつとなっています。
キャニスターの印字ひとつとっても、当時の生活ぶりがなんとなく想像できるのはアンティークやヴィンテージならではの面白さです。